ヴェイグとは、サニイタウンの水路を特に意味もなく眺めていた。
透き通った水が、落ち葉や枯葉をゆっくりゆっくり運んでいく。
「・・・綺麗だな・・・」
ポソリと呟くを、ヴェイグは水越しに見つめた。
そのまま彼女の言葉を肯定するために頷く。
「・・・もうマオ達の所へ帰るか?」
「いや・・・もう少し・・・こうしていたい・・・・・・戻ればまた、うるさくなるから」
「・・・そうだな」
苦笑するを水面は鮮明に映す。
それを見つめながら、ヴェイグは密かに口元を緩めた。
・・・もう少し二人で時を過ごしたいという隠した本音が、バレてはいないと安心したからだ。
しかしヴェイグはこの発言の後すぐに「の言う通り、戻っていれば良かった」と後悔するのである・・・。
出かけたヴェイグとが戻ってきて、一同は「おかえり」の言葉と同時に振り返る。
そしてそのまま一同はピタリと固まった。帰ってきたヴェイグ達を見た瞬間に、だ。
・・・いや、正確には、ヴェイグとが『持って』帰ってきたモノを見て固まったのだ。
沈黙の続く中、ようやく口を開いたのはヒルダだった。
「・・・・・・・・・・・・何ソレ」
ヒルダの言葉にヴェイグはが抱えるモノを一目見てから、返事をする。
「・・・見てわからないか?」
「そういうことじゃなくて、何でアンタ達が持ってるのか訊いてんのよ」
ヒルダはもう一度が落とさないようにと大事そうに抱える『モノ』を確認した。
・・・見直して、やっぱり自分の見間違いではない。と確信する。
の抱えていたモノは、白いシーツに包まれた生まれて数ヶ月と経たないだろうという、なんとも可愛らしい「赤ん坊」だった。
「・・・あ、あのぅ・・・・・・・・・まさか、と思うんですけど・・・・・・ヴェイグさん達の・・・子供・・・じゃ、ないですよ・・・ね・・・?」
「・・・そんなんじゃない」
「あぁ・・・違うな」
アニーは自分の抱いた考えをあっさりと否定されてホッと胸を撫で下ろした。
ヴェイグとの子供だなんてまずありえないと一同は思うが、そういう疑いをかけてしまうのは仕方がない。
大人しく抱えられている赤ん坊は連れて来た本人である二人によく似ていた。
銀髪、というには少々黒い―――灰色な淡い髪が赤ん坊の頭を包んでいる。
ヴェイグの白金の髪との白銀の髪が混ざったらちょうどこんな色だろう・・・と予測される。
更に赤ん坊の瞳はヴェイグの蒼い瞳との紅い瞳の色を合わせたような深い深い紫色だった。
まさに二人を足して割って生み出されたような容姿をした赤ん坊だったのだから、アニーの頭に浮かんだ考えも仕方がないだろう。
「・・・で、このコどうしたの?」
マオはが抱える赤ん坊を覗き込む。
自分より小さいヒトを見るのは初めてだ。
「すぐそこの水路に流されてきたんだ。それを、俺が拾った」
「この子が入っていた籠はそのまま流されたけどな」
ヴェイグとは言うと、互いの顔を見合わせ頷き合った。
「つまり・・・捨て子か」
「・・・この子はどうやらハーフらしい。・・・小さいが、角があった」
言うと、ヴェイグは赤ん坊に被せられたシーツを少し捲る。
頭全体が見えたと同時に、その天辺にちょこんと黒い角が生えているのが見えた。
「・・・ハーフだから、捨てられたのね・・・・・・」
「ひっでぇことしやがる!!」
悲しげに呟くヒルダと怒りに怒鳴るティトレイ。
そんな中、赤ん坊は己の状況を理解せずに無邪気に笑っていた。
「それにしても可愛いなぁ〜。ねぇ、!ボクにも抱っこさせてよ!」
「それは構わないが・・・落とすなよ、マオ」
心配するから赤ん坊を受け取って、落とさないようにしっかりと抱える。
「うわぁ〜小さいね!手なんかこんなに小さくて作り物みた―――」
「作り物みたい」と言いかけたマオを止めたのは、彼に抱えられる赤ん坊自身だった。
突然、じわじわと愛らしい紫の瞳に大粒の涙を溜め込むと、先程の笑顔は何処へやら。
顔をくしゃくしゃにして大声で泣き出したのだ。
「うわぁぁっ!どうしよう!泣いちゃったよっ!!ティトレイパスっ!!」
泣き出した赤ん坊を抱えていたマオはパニックを起こしながら隣にいたティトレイに赤ん坊を渡す。(押し付けたに近い)
任せとけ!と快く受け取ったティトレイは赤ん坊を揺り籠の要領でゆっくりと揺らした。
そのまま自分の顔を七変化させる。
・・・俗に言う「いないいないばあ」だ。
「ほ〜ら、いないいな〜い・・・ばあ!・・・・・・・・・うーん、ダメか。ヒルダ」
「えっ!?ちょっと・・・私に回さないでよ!あ、アニー!」
「は、はい!あぁ・・・良い子だから泣かないでねっ!泣き止んで、お願い!・・・ゴメンなさい・・・ユージーン・・・」
「・・・ユージーンに渡ったら、もっと泣き出したネ」
「・・・・・・(涙)。・・・・・・」
「なっ・・・ユージーン隊長!困りますっ!赤ん坊なんて私―――」
反論しつつも、押し付けられたら受け取らないわけにもいかず、赤ん坊は再びの腕へ。
すると、今まで某おとぼけトリオのリーダー並にうるさかった赤ん坊はピタリと泣き止み、また無邪気な笑顔を浮かべ出したではないか。
「・・・泣き止んだわね」
「さんに懐いているんでしょうか・・・?」
「よし、それなら決定だな!」
ポンポンとティトレイは笑ってヴェイグとの肩を叩く。
・・・嫌な予感はするが、一応訊いておこう。
「・・・何が決定したんだ?」
「その子の親を見つけるまで、ヴェイグとがパパとママになるんだよ!」
当然だろ?というようにティトレイが目を輝かせる。
すぐにマオやアニーも頷いた。
「そうだね!その子のお父さんとお母さんを見つけてしっかりと叱ってあげなきゃ!」
「私達も協力しますから、頑張りましょう!!」
「・・・・・・・・・つまりはお前達・・・・・・」
言いかけた言葉を飲み込み、はヴェイグと顔を見合わせ、同時に大きくため息をついた。
つまりはお前達、面倒事に巻き込まれたくないから私達に押し付けようという寸法か・・・。
赤ん坊の親探しが始まった。
ティトレイとマオ、ユージーンとアニー、単独でヒルダはサニイタウンの住人に最近新しく子供が生まれた家はないかを聞き出しに向かった。
一方、赤ん坊を抱えるはヴェイグと共に街中を歩いてみることにした。
この赤ん坊を知っている者がいれば、何らかの反応があるだろうと思ったからだ。
しかし、街中を赤ん坊を抱えて歩いているだけではどうしても見つからない。
仕方がないと、休憩を兼ねてヴェイグ達は赤ん坊を拾った水路の付近に佇むことにした。
「・・・私は、赤ん坊なんて初めて触ったし、どうして良いのかなんてわからないぞ・・・」
「・・・俺だってそうだ」
ヴェイグも言って、彼女の腕の中の赤ん坊を見下ろす。
赤ん坊は面白いおもちゃを見つけた、とばかりに嬉しそうに先程からヴェイグの長い三つ編みを掴んで離さない。
時折ぐいっと強く引っ張ってはヴェイグの整った顔を少し歪ませる。
「大丈夫か?・・・痛いか?」
「・・・いや、心配するほどじゃない・・・」
隣で心配するを、ヴェイグは顔を横に向けて見つめる。
そしてすぐに彼女に抱えられる赤ん坊に髪を掴まれているせいでと顔が近いことに気づき、顔を背けた。
彼女に気恥ずかしさを気づかれぬようゆっくり背けたつもりだったが、どうやら動きがぎこちなかったようだ。
どうかしたのかと更に心配したが詰め寄ってきて訊ねる。
「どうした?ヴェイグ??」
「何でもな―――」
「あらあら!可愛い赤ちゃんねぇ!」
「ホント!綺麗な顔をしてるわね〜」
ふと、自分達以外の声が聞こえて、ヴェイグとは前方を見る。
自分達の目の前にはいかにも面倒見の良さそうな朗らかとしたヒューマの老女が二人いた。
老女はに抱えられる赤ん坊を見てはニコニコと笑っている。
しばらく「可愛いわぁ〜」「ホントね〜」を繰り返していた老女達が突然赤ん坊から視線を上げて、に話しかけてきた。
「お散歩中なの?」
「ぇ・・・・・・あ、はい・・・そんな所です・・・」
曖昧に返された言葉を訝しむことなく、老女達はまた笑って、今度は赤ん坊に話しかける。
「そうなの〜!お父さんとお母さんと一緒で嬉しいねぇ〜?」
「おとぅ・・・!?」
「おかぁ・・・!?」
老女の言葉に驚き、ヴェイグとは同時に顔を赤くする。
・・・そんな風に見られるとは思わなかった。
つまり他人の目からはヴェイグとはこの赤ん坊の両親に見られているわけだ。
そう見られているということは、自分達は事情を知らぬ者からは夫婦・・・と思われているのだろう。
ポカンと老女の発言に呆然としていたが、もう一人の老女の言葉で、ヴェイグ達は現実に引き戻された。
「可愛いわね〜。本当にガジュマとは大違い!」
「!!」
「ちょっと!・・・ごめんなさいね、突然・・・気にしないで頂戴ね。・・・じゃあ、良いお散歩を」
老女は、共にいた老女の言葉に気まずさを覚えたのか、一言詫びるとそそくさと行ってしまった。
「・・・・・・ヴェイグ、この子は・・・ハーフだ」
「・・・あぁ・・・」
「・・・ガジュマの血だって・・・ちゃんと受けてる・・・」
「・・・そうだな」
「・・・・・・・・・・・・それは・・・いけないことなのか?」
「そんなことはない。・・・・・・絶対に、そんなことは・・・」
「・・・だよな」
自分の質問を否定されたことには嬉しそうに目を細めるが、それは同時に悲しくて目を伏せたようにも見えた。
きっと腕に抱える赤ん坊を、サレに捨てられたあの時の自身と重ねたのだろう・・・とヴェイグは思った。
「・・・」
「・・・何故この子は捨てられたんだろうな」
「ハーフだから」。
・・・こんな答えを彼女が待っていないことは完全に分かりきっている。
ヴェイグ自身もそんな事を言うつもりはない。
だからこそ、答えは簡単に出た。
「・・・捨てた奴らの心が弱かったせいだと思う」
「・・・・・・」
「・・・この子のせいじゃない」
言って、ヴェイグは赤ん坊の頭をそっと優しく撫でる。
白いシーツ越しに、ヒューマでもガジュマでもない硬い証が手に触れた。
その様子をじっと大人しく見ていたはゆっくり身体を倒して、ヴェイグの右肩に頭を寄せる。
ヴェイグは彼女を拒むことなく、寄せてきた頭を赤ん坊にしていたように、ゆっくり優しく撫でた。
「・・・いつになったら、この子達のような子が『同じ』になれるんだろうな」
「・・・もうすぐなる。そうするために、俺達は旅をしているんだ」
「・・・そうだな」
「・・・・・・・・・」
名前を一つ呼んで、ヴェイグは彼女の頭に頬を寄せた。
彼女を慰めるための行動だろうが、少し見方を変えればまるで彼の方が彼女に甘えているようにも見える。
「・・・捨てて拒む奴はいる。だが、存在を認めてくれる奴だっている。
少なくとも、俺はもこの子も認めている。・・・絶対に、拒んだりしない」
「・・・ヴェイグ、ありがとう。今はそれだけで充分だ」
はヴェイグから頭を離して照れくさそうに笑う。
元気を取り戻したらしい彼女を見てヴェイグはフッと目を細めると、数歩歩き出してから振り返り、彼女に手を伸ばした。
「そろそろ行こう」
「あぁ。・・・・・・お父さんはせっかちだな」
「・・・からかうな」
「今はお前がお父さん。私がお母さん。・・・さっきのおばさんが言ってただろ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・冗談だ。そんな固い顔をするな」
「・・・・・・いや・・・別に・・・・・・」
「オーイ!ヴェイグー!ー!どこだーーー!?赤ちゃんの親が見つかったぞぉーーーっ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「悪くない」という小さな彼の呟きは、大声を上げたティトレイによって掻き消されたのであった・・・。
ティトレイに連れられ、今夜泊まる為に予約した宿屋に戻ってくると、
一番最初に目に入ってきたのはヒューマの男とガジュマの女だった。
ロビーで重いモノに取り憑かれたかのように頭を垂らしソファーに座り込んでいたその二人は、ティトレイが扉を開けたことでようやく顔を上げた。
彼の後に続いて入ってきたヴェイグとの抱えるモノを見た瞬間、一目散にそれに向かって走り寄る。
「あぁ・・・ルダ・・・!ルダだわ・・・間違いありません私達の子です!」
「良かった・・・!無事で良かった・・・!!」
ヒューマの男は「良かった」と何度も呟き、自身と同じ灰色の髪を持つ赤ん坊の頭を愛しげに撫でる。
ガジュマの女は傍らのユージーンに言葉を渡しながら、赤ん坊の頬に手を重ねる。
・・・彼女の瞳は紫色だった。
「・・・予想していたものとかなり違うようだが?」
「あぁ・・・全然違う・・・」
その場にいる中でとヴェイグだけが理解をできていなかった。
理解したことは、自分達が抱えている赤ん坊が「ルダ」という名前であることだけ。
理解できないのはルダの両親の反応だ。
捨てた子供を心配することなんてあるだろうか?
・・・となるとこの水路から流れてきた赤ん坊は捨て子ではないということか?
再び子供を見つけて、こんなに安心に浸っているこの夫婦を見る限り、ルダは「捨て子」ではないらしい。
てっきり宿屋に待ち構えていたものは「忌まわしいハーフなんて返してこないで!」と
自分が生み落とした我が子を否定するような臨戦態勢だとばかり思っていた。
だから逆にこんな反応を返されてしまうと、二人が困惑してしまうのも仕方のないことだった。
「・・・貴方達はこの子を捨てたわけではないんですか?」
この理解できない状況を改善したくて、は疑問を口にする。
すぐにルダの母親が彼女の言葉を否定するために口を開いた。
「捨てたりなんかしません!こんなに可愛い子なのに・・・!」
「・・・・・・アニー、説明してくれ」
ルダの母親の言葉だけでは、「ルダを捨ててはいない」ということしかわからない。
一番知りたい「何故ルダが水路を流れていたのか」は状況を知っているらしいアニー達に聞くのが手っ取り早いだろう。
アニーの説明によればこういう事らしい。
一般的に禁忌とされるヒューマとガジュマの恋愛、そしてそれによって生まれた禁忌とされるハーフの「ルダ」。
周りからの冷たい意見や視線は当然のようにあった。
何より一番ハーフであるルダを嫌ったのはこの夫婦達の親。つまり、ルダの祖父母達に当たる。
ルダの祖父母達は思念の影響からかお互いを憎み合っていた為に、父方の親はガジュマを、母方の親はヒューマを認めることはなかった。
そんな中、生まれたのが互いの血を分け合ったハーフ、ルダだったわけだ。
可愛い子供が生んだ可愛い孫のはずなのに、生んだのは憎む存在。
生まれたのは憎む存在の血が入った忌むべき赤子。
・・・そう思っていた祖父母達がルダを疎ましく思うのは当然かもしれない。
そして、そのルダを憎む気持ちが頂点へと向かうのもすぐだった。
「・・・・・・つまり、ルダは祖父達に捨てられたわけだな・・・」
「・・・ハイ、お母さん達が目を離した隙にルダちゃんを攫って、水路に投げたらしいんです」
「このヒト達は、ずっとこのコを探してたんだよ」
マオはそう言ったが、目の前の夫婦の様子を見れば言われなくともわかる。
赤ん坊の事をどれほど心配して、大切にしているかを。
・・・だったら、その気持ちがどこまでのものかを確かめなければいけない。ルダの為にも。
「・・・貴方達は、この子を連れていると・・・いや・・・貴方達が共にいることだけでも、周りはきっと許さない」
・・・それが、『今』の現状。
「認めてくれる者もいるだろうが、『今』は絶対に拒む者の方が多い。
認めてくれる者が現れない限りは、ずっと三人だけで生きていくことになる」
この親子が歩むのは辛くて苦しい試練の道。
周囲から認められず、拒まれて、心が折れる事があるだろう。
「・・・・・・それでも貴方達はルダを守れますか?」
の言葉に夫婦は一瞬呆けたが、すぐに強く頷いた。
「守ってみせます。三人で、共に強く生きていきます」
その言葉に反応するように、突然、の腕の中で大人しくしていたルダが暴れ出した。
小さな小さなその両手を懸命に母親の方へと伸ばす。
それを見て、一つ苦笑したはようやくルダを母親に差し出した。
母親がそっと我が子を抱き寄せた。
「・・・幸せになれよ、ルダ」
何処か羨ましげに、が呟いた。
ルダ達が宿屋を去ってから随分と時間が経った。
「・・・良い母親だった」
ヴェイグは、まるであの家族を見送るように宿屋の部屋の窓から外を眺めるにそっと声をかける。
彼女の隣に立って、同じように外を眺めると、傍らからフッと笑った息遣いが聞こえた。
「あぁ、あの子は幸せ者だ」
「・・・俺が言ってるのはのことだ」
ずっと外を見つめていたが、その言葉でヴェイグの方に向き直る。
顔はいつもの無表情が少し柔らかくなったような状態だ。
これは彼女流の『疑問』の表情。
「赤ん坊のことはわからないと言っていたが・・・良い母親ぶりだったと思う」
「・・・あまり自覚はないが、そう言ってもらえると嬉しい」
は無表情で言う。
嬉しそうな顔ではない所が何だか不安になるが、それは彼女の特徴なのでヴェイグは気にしないことにした。
ふと、彼女の顔が悪戯気味に目を若干細めた所を見逃したのはヴェイグの失敗だった。
「・・・子供も良いものだな」
「あぁ」
「私も子供が欲しくなった」
「が生むのか・・・?」
「あぁ、そうだ」
「誰の子だ・・・・・・?」
何気なく二つ目の質問をした自分に、ヴェイグは後悔した。
これで「サレ」とか言われたら、何となく傷つきそうだ。
しかし、ヴェイグのそんな不安は一瞬で払拭される。
「ヴェイグの子供だ」
自信たっぷりに言い切ったに目を丸くして呆けるヴェイグ。
数秒後には本気かという眼差しで彼女を凝視した。
そんな様子を見てはクスリと噴き出した。
「・・・冗談だ。そんなに嫌そうな顔をするな」
「・・・っ!っ!!」
からかわれたのだと気づいたヴェイグは怒鳴るが、
からかった本人はしてやったりとばかりに彼に小悪魔のような笑みを浮かべると、部屋を出てしまった。
部屋に一人取り残されたヴェイグは気力が抜けてよろける身体を、壁に腕をつくことで何とか支えた。
壁についてないもう一方の手を頭に押し付けるようにして、大きくため息をつく。
「・・・・・・・・・別に、嫌そうな顔なんてしていない・・・」
顔を真っ赤にして小さくそう呟くも、彼の言葉は誰にも聞こえない。
1万ヒットありがとう記念の夢小説でした。
ギャグにもなりきれずシリアスにもなりきれずただただ長いだけのモノになりました・・・おぉう。
あぁ駄文だ。果てしなく駄文だ。
書きたかったのは赤ん坊に振り回されるヴェイグ一行とヴェイグと夢主の一日夫婦だったはずなんだけれどな・・・。
でも、リバース愛を言うならばこう言ったヒューマ、ガジュマ、ハーフなお話を書くのもイイと思うのです!
(よく思いついたなその言い訳)
一応この夢小説はフリーですので、気に入った方はご自由にどうぞ。
どうかこれからも我が家の駄文を見に来てやってください・・・!